「書く」ことが「変わる」こと。「ノート3冊分の自分史®」の”3周プロセス”が自己変革を必然にするメカニズム

こんにちは！阪井裕樹です。

「変わりたい」
「もっと自分らしく生きたい」

と願いながらも、なかなか具体的な変化を実感できずにいませんか？
日記をつけたり、内省を試みたりしても、どこか表面をなぞるだけで、心の奥底からの変革には至らない…。

多くの方がそんなジレンマを抱えているかもしれません。

実は、「書く」という行為には、私たち自身を深く見つめ、そして変えていくための計り知れない力が秘められています。
しかし、その力を最大限に引き出すには、ただ漠然と書くだけでは不十分なのです。

この記事では、「ノート3冊分の自分史®」の核心とも言える「3周プロセス」に焦点を当てます。
なぜこの「3周プロセス」が、単なる自己分析に留まらず、「自己変革」を必然的に引き起こすのか、そのメカニズムを詳しく解説していきます。

この記事を読めば、「書く」ことを通じて本当の自分と出会い、人生を変える具体的なステップが見えてくるはずです。

なぜ、ただ「書くだけ」では不十分なのか？自己変革を阻む壁

多くの方が「書く」ことの良さを漠然とは感じています。
しかし、日常的な日記や思いつくままのジャーナリングだけでは、なかなか自己変革という深いレベルの変化には繋がりにくいのが現実です。その理由は何でしょうか？

表面的な記述に留まる:
意識していること、書きやすいことだけを繰り返し書いてしまい、自分の深層にある感情や思い込みには触れられない。
思考のループから抜け出せない:
同じ悩みや考えを堂々巡りするだけで、新たな視点や気づきが生まれにくい。
自己正当化や「思い込み」の再生産:
無意識のうちに自分を正当化する記述になったり、既存のネガティブな「思い込み」を強化してしまったりする。
客観性の欠如と深掘りの限界:
自分の主観的な視点から抜け出せず、問題の本質や隠れた欲求まで掘り下げることが難しい。

つまり、自己変革を促すためには、「書く」という行為に「構造」と「深さ」を与える工夫が必要なのです。

自己変革の鍵を握る「ノート3冊分の自分史®」の“3周プロセス”とは？

「ノート3冊分の自分史®」では、この「構造」と「深さ」を徹底的に追求するために、独自の「3周プロセス」というフレームワークを用いています。
これは、人生の出来事を一度書いて終わりにするのではなく、角度を変え、深さを変えながら、最低3回、自分自身と対峙していくアプローチです。

1周目：「ためる」 – 経験したこと（WHAT）の徹底的な棚卸し

最初のステップは、頭の中にあるものを「とにかく出す」ことです。幼少期から現在に至るまでの人生経験を、良いことも悪いことも含め、できる限り網羅的に書き出します。

目的: 思考のフィルターを外し、記憶の奥底にある出来事や感情を客観的な事実として洗い出す。自分史の素材を「ためる」段階。
問いの例: 「何があったか？」「それはいつのことか？」「誰と関わっていたか？」「具体的にどんな行動をしたか？」といった＜拡げる質問＞や＜掘る質問＞を用います。

2周目：「きく」 – 感情や理由（WHY）、そして願望の深掘り

1周目で書き出した「事実」に対し、今度は「なぜそう感じたのか？」「どうしてその行動を選んだのか？」といった内面的な要素を深く掘り下げていきます。

目的: 事実の背後にある感情、動機、価値観の萌芽、そして未消化の想いや隠れた願望に光を当てる。「自分自身の声に耳を傾ける」段階。
プロセス: 「なぜ、そう感じたのだろう？」「その時、本当はどうしたかったのだろう？」と問いかけ、後悔の念（例：「～だったら良かったのに」）から、次第に「こうなったら最高！」というポジティブな願望（未来形）へと意識を転換していきます。

3周目：「まとめる」 – 本音と「最強の価値観」の言語化

1周目と2周目で深掘りした内容全体を俯瞰し、そこに通底するパターンや本質的な欲求、そしてあなたを突き動かす根源的な力＝「最強の価値観」を見つけ出し、明確な言葉で定義します。

目的: バラバラだった自己理解のピースを統合し、揺るぎない自分軸を確立する。「本当の自分」を明確にし、人生の羅針盤を手に入れる段階。
問いの例: 「もし仮に、あの時の願望が叶っていたとしたら、自分はどんな状態だったのだろう？（真の願望の探求）」「これまでの全ての経験を通して、自分が一貫して大切にしてきたものは何か？」「一言で言うと、自分とはどんな人間なのだろう？（結論）」

なぜ“3周プロセス”が「必然的」に自己変革を促すのか？そのメカニズム

この「3周プロセス」は、単に作業を繰り返すのではありません。
それぞれの周回が連動し、段階的に自己理解を深め、変革を促すように設計されています。

① 反復による深層心理へのアクセス

一度書いただけでは、どうしても意識のフィルターがかかり、当たり障りのないことしか出てきません。
しかし、同じテーマや問いに角度を変えて何度も向き合うことで、徐々に心のガードが外れ、普段は意識の奥底にしまい込んでいる無意識の感情や本音、自分を縛る「思い込み」が表面化してきます。

② 構造化された問いによる多角的な視点

「ノート3冊分の自分史®」で用いる100以上の問いは、あなたの思考を刺激し、記憶を呼び覚まし、内省を深めるための道しるべです。自分一人では気づけない視点や、見過ごしていた出来事の意味に光を当て、自己対話の質を高めます。

③ 「書く」ことによる客観視と感情の浄化（カタルシス）

頭の中でグルグル考えているだけでは整理がつかない感情や思考も、文字にして「外に出す」ことで客観的に眺められるようになります。
これは言語化プロセスの効果であり、特にネガティブな感情やトラウマ的な経験を書き出すことは、感情の浄化（カタルシス）を促し、心の重荷を軽くする効果も期待できます。

④ 「思い込み」の自覚と書き換え

書くプロセスを通じて、自分が無意識に抱えていたネガティブな「思い込み」（例：「自分は何をやってもダメだ」「人に頼ってはいけない」）が具体的なエピソードと共に明確になります。
自覚できた「思い込み」は、そのルーツを理解し、新たな解釈を加えることで、ポジティブなものへと書き換えていくことが可能です。

⑤ 「最強の価値観」の発見による自己肯定と行動の変化

「3周プロセス」を経て発見される「最強の価値観」は、あなただけの自分軸そのものです。これが明確になることで、「自分はこれでいいんだ」という深い自己肯定感が生まれ、価値観に沿った一貫性のある行動が自然と取れるようになります。これが**「肚落ち」**の状態であり、自己変革が具体的な行動として現れる瞬間です。