週刊現代に「オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」〜702業種を徹底調査してわかった〜」という記事が掲載されていました。
このようなタイトルで、読者の不安を煽るような記事はそのまま受け入れるべきではないというのが現代における常識ですが、文末には興味深いことが書いてありましたので、ご紹介しておきます。
かつて洗濯は手作業で行っていましたが、洗濯機の登場でその仕事は奪われました。しかし、それによって余った時間を使って新しい技術や知恵が創造された。こうして人類は発展してきたわけです。現在起きているのも同じことです。
ロボットやコンピューターは芸術などのクリエイティブな作業には向いていません。となれば、人間は機械にできる仕事は機械に任せて、より高次元でクリエイティブなことに集中できるようになるわけです。
人間がそうして新しいスキルや知性を磨くようになれば、これまで以上に輝かしい『クリエイティブ・エコノミー』の時代を切り開いていけるのです。
阪井もこの意見には賛成です。
この記事を読んで、なぜこのような考え方をすることになったのか?を振り返るきっかけにもなりましたので、阪井なりに「これからの時代の仕事像と働き方の考察」をまとめておこうと思います。
仕事をすることは目的ではない
まずは仕事をすることの目的から考えていきます。
阪井は仕事の成果を上げることを目指す会社員・企業内リーダー向けに「ノート3冊分の自分史®」をサービスとして提供する機会も多いのですが、お会いする会社員の方々のほぼ90%が仕事をすることが目的となっています。
そもそも論になってしまうかもしれませんが、仕事とは夢やビジョンを実現するための手段でしかありません。
そのため、いかに仕事を活用しながら自己実現ができるか?ということが重要なのです。
就職活動の頃を思い出そう
私たちも就職活動をしていた頃には「仕事で**な未来を創りたい!」とか「**を実現したい!」といった夢や希望を持っていたはずです。
しかし、実際に働き始めて3年も経つと、いつの間にか少し前に描いていた夢や希望を忘れてしまいます。
さらに結婚や出産などのライフイベントがあると、家族のために働くということが目的になってしまい、保守的にもなりがちです。
もちろん家族のために働くということは大事なことであり、誰も否定はできません。
ただし、それだけが仕事の目的となってしまった場合、仕事が原因で家族との時間が取れなくなったり、家族関係に問題が生じてしまった時の精神的なダメージが大きくなってしまいます。
このような仕事と家族に関する問題のわかりやすい例が、奥さんや子供に「もっと家族との時間を取ってよ!」と言われたり、「俺が仕事を家族のためにこんなに頑張っているのにどうして分かってくれないんだ!」というような意思疎通のできていない会話です。
仕事をする目的が家族のためであるはずなのに、その大切な家族との関係が拗れてしまう。これでは非常に残念です。
仕事をする目的の再認識
仕事をする上で大切なことは、自身の夢やビジョン、なぜその仕事をするのか?という目的意識をしっかりと考え、自身の進むべき道を見失わないようにすることです。
そのためには、あなたが就く仕事はなんでもいいということではなく、「あなたにしかできないこと」を仕事にする必要があります。
クリエイティブな仕事をしよう
先程ご紹介した記事によると、10年後になくなる仕事は「機械でも対応可能な仕事・機械のほうが正確に実行可能な仕事」ということです。
このような仕事は、機械的な作業になっている仕事である場合が多く、ただ単にシステム導入やロボット化などの機械化の速度が追いついていないだけで、その仕事を人間がしなければいけないということではありません。
ただし、このような仕事はルーティンワークと言われることが多いですが、その仕事自体に目的を見い出すことができれば、十分に価値化することは可能です。
例えば・・・ホテルの受付業務をこなすだけであれば、チェックイン/アウトのセルフシステムを導入することで、受付自体を無人化することは可能です。
しかし、ハイクラスなホテルになると、受付でのおもてなしや接客・対応力がそのホテルの評価や価格を決めるといっても過言ではありません。
機械化により効率性を求めることはできますが、「おもてなし」といった心を込めたサービスは人でなければ提供することができません。
数字やデータで計測・証明できないような領域、このような領域にこそ、夢やビジョンをおくべきであり、あなただからこそ実現可能なことを仕事を通じて実現していく。
10年後も求められるあなたでいるためには、このような領域が大部分を占める仕事をしていくこと、あなたが辞めても代わりの誰かがいる仕事ではなく、あなただからこそできること、あなたにしかできないこと、この比率を上げていく必要があります。
クリエイティブな仕事をする3ヶ条
それでは、ここからは実践編です。
あなたにしかできない仕事を見つけるにはどうすればいいのでしょうか。
あなたにしかできない仕事を見つけることの近道は、あなたにしか語ることができないことを見つけることです。
では、あなたにしか語ることができないことを見つけるにはどうすればいいのか。ポイントは過去から未来へ繋げることです。
1|過去を振り返ること
あなたにしか語ることができないことは、あなたの経験の中に眠っています。誰一人として同じ経験をしてきた人はいません。
あなたしか語ることができない経験を掘り起こし、さらに知識やこれからの経験といった肉付けを施すことで、あなたにしか語ることができない価値を提供することができます。
代表的な仕事がコンサルタントやコーチといった自身の経験や知識をビジネスとして展開している人です。
これだけ存在しているにも関わらず、それぞれがビジネスとして成り立っているということは、その人しか語ることができない価値を見つけているということです。
これは弁護士や会計士といった士業の方にも同じ事がいえます。
資格の中身だけで勝負しようとすると価格競争に陥りますが、独自の価値を付加することで、自身の納得いく価格でコンテンツを提供することができます。
もちろん会社員においても同じ事がいえますが、会社員は過去を振り返ることよりも先に以下の2つを行う必要があります。
2|現状を見直すこと
会社員が「自分にしかできない仕事」を見つけるために、まず最初にすべきことが現状の見直しです。
あなたが現在取り組んでいるその仕事・・・本当にあなたでなければできないのでしょうか。
例えば、営業担当のあなたが配置変更によって担当する企業が変わった場合、これまでの担当企業はいつまであなたのことを覚えていてくれるでしょうか。
余程のことがない限り、これまでの担当企業は時間経過と共に、あなたのことを忘れてしまいます。
ということは・・・、現在の担当企業と信頼関係を構築できているように思えたとしても、それは別にあなたである必要はないとも考えることができます。
このように、意外と自分でなければダメだ!とあなたが思い込んでいることでも、実は誰でも良かったということはよくあることなのです。
あなたはあなたにしかできない仕事をしているのか?ということを一度を見直す必要があります。
3|未来を語ること
就職活動や新卒の時は夢やビジョンなどを持ち、自己実現のためにその会社に入社したはずなのに、いつの間にかそれらを忘れてしまいます。
その結果、仕事をすること自体が目的になってしまい、守りに入ってしまう人がほとんどなのです。
大切なことは未来を語ることです。
- あなたはなぜその会社に入社したのか。
- そもそもあなたは仕事を通じて何を実現したいのか。
- どのような夢やビジョンを持っているのか。
上記を一度振り返ることが必要です。
まとめ
ここまで「これからの時代の仕事像と働き方の考察」を阪井なりにまとめてみました。
あなたの仕事はあなたにしかできないのか。
一度振り返ってみてください。
正直、今の仕事に価値を見い出すことができないからといって転職する!という安易な考えでは、根本的な問題は解決しません。
働き方が多様化した現代だからこそ、あなたに相応しい仕事を見つけましょう。